【じゃこごうこの仕分け編】
古漬けは1つずつ柔らかさなどが違う為、くずれる部分が多かったり全く崩れなかったりと様々です。
海老も炊く時は殻ごと入れているので、パックに詰める前に一つ一つ殻を剥いたり、
生姜も炊く時はいっぺんに(ごちゃ混ぜで)入れていますが、
それぞれをまんべんなくパックに入れる為に炊き終わってから
@生姜、A海老、B水なす古漬け、C古漬けの煮崩れ部分、に分けてからパック詰めをしています。
実は炊くまでにもこんな道のりがあります。
【じゃこごうこの下処理編(古漬け&じゃこ)】
〈海老じゃこの下処理〉
じゃこごうこは昔から伝わる家庭料理なので、一般的に家庭で作る時は古漬けや生姜と一緒にえびを丸ごと(頭や殻付き)で入れて炊いてそのまま盛り付けますが、
マコト商店のじゃこごうこは頭と背わたを取り除いてから炊いています。
じゃこ=小さい海老なので、毎回たくさんの細かい海老達と戦います(笑)
昔から作っている方は「じゃこ(海老)はそのまま入れた方が美味しんやで〜」「頭とったら旨味が減る」という方も多いと思います。
私達もはじめは丸ごと炊く事からはじめましたが、
「くさみが気になる」など試食アンケートの声をもとに背わたは取って頭を残してみたり、濁りをなくすために海老の頭を取ったり、コクが減るので少し頭を残してみたり…
などなど何度も試行錯誤と試食を出しながら今に至ります。
そもそもの始めたきっかけが「こんなに美味しい伝統料理(郷土料理)がある事をもっと広めたい!」というところから始まったので、昔ながらの方法を守っている…という理由もあります。
古漬けの塩抜きがそんなに時間がかかるなら、生なすor水なす浅漬けで作ったらどうなの?と聞かれる事もありますが…
【古漬けの塩抜き編】
〈古漬けの塩抜き〉
マコト商店の古漬けは1年〜2年かけて漬けているので、塩抜きにも結構時間がかかるのです。
古漬けを適度な大きさに切ってから、何度かお水を変えながらちょうど良い塩加減になるまで約2〜3日かけて調整していきます。
〈水なすの違い〉
一番の理由は漬ける水なすの違いにあります。
古漬けは長期保存用にとっても塩辛く漬ける為、それに耐えられるしっかり固めの水なすを使います。
それに対して、浅漬け用の水なすは3日〜1週間で食べる用に生なすでも食べれるような皮の柔らかいみずみずしいものを漬けるのです。
だから浅漬けでじゃこごうこを作ろうとすると、柔らかい皮や実が熱に耐えらなくて海苔の佃煮のように煮崩れてしまいます。
あとは、古漬けの中でも短期間で漬けたものとしっかり熟成したものでは中心部の旨味が違い、
もちろん1〜2年漬けたものをそのまま食べるとかなり塩辛いですが、塩抜きした時の何ともいえない複雑みやコクと旨味は熟成ものにしか出せない美味しさなのです。
時間はかかりますが、マコト商店のじゃこごうこは熟成古漬けの質や旨味が味の要になっています。
今も作る度にあ〜でもない、こ〜でもないと言いながら手間をかける部分と手際よくする為のより良い方法を探究中なので、毎回ちょっとずつ進化しております。
古漬けや漬物文化についてはまた別の回でご紹介いたします。